アデノウィルスに感染した場合の症状や予防法
アデノウィルスというウィルスをご存知でしょうか?
ウィルス単体の名ではあまり知られていないかもしれませんが
インフルエンザウイルスに次いで人の身体から検出される頻度が高いウィルスで
幼児~小学生期に感染することが特に多いとされています。
けれど、大人になれば罹らないというわけではなく
様々な症状を起こす厄介者です。
アデノウィルスに感染した場合の症状や予防法など
アデノウィルスについてお伝えしましょう。
アデノウィルスとは
「アデノ」とは扁桃腺、リンパ節を意味する言葉で名前のとおり人の鼻や口を経由して扁桃腺やリンパ節に潜むウィルスです。
全部で49~51種類が確認されており、それぞれナンバリングされ
どんな種類のどんな病気を引き起こすか解明されています。
アデノウィルスの大きな特徴は、その種類の多さ故に症状が多種多様な点です。
主な症状としては、軽い風邪のようなもの
重度の扁桃腺炎や肺炎、結膜炎、咽頭炎などがあります。
特に扁桃腺や結膜炎を発症したときは、細菌性のものとの区別がつきにくく
抗生剤を処方されても効果がないので症状が改善せず高熱が続くような例もあります。
潜伏期間は5~7日で、発症後3~5日で症状は治まる傾向にあります。
けれど、その後2週間は二次感染の確率が高く、気は抜けません。
感染源は飛沫による空気感染と直接感染の二つがあり
夏場のプールでの感染拡大がよく取り上げられます。
これが、プール熱(咽頭結膜熱)です。
アデノウィルスは非常に感染力が強いウィルスなので
学校伝染病第2種に指定されており
感染すると治癒から原則2日間は登校禁止、大人の場合も出勤停止が言い渡されます。
大人でも怖いアデノウィルス
プール熱の知名度ゆえに子供の病気と勘違いされがちなアデノウィルスですが種類が多種多様なことから一度感染しただけでは免疫がつきにくく
大人でも感染する可能性は十二分にあります。
特に、大人が感染すると上にあげた症状以外にも
胃腸炎や急性呼吸器感染症、出血性膀胱炎、流行性角結膜炎などを発症することがあり
回復まで長期化する傾向にあります。
その理由の一つとして
アデノウィルスにはウィルス単体に効く抗ウィルス剤が存在しないことがあります。
それ故に、治療の方法としては自然治癒を促すために安静にしているか
それぞれの症状に合わせた対症療法しかないのが現状です。
大人の場合も感染が確認されれば出勤停止が命じられますが
子どもほど自由に休みは取りにくいのが現状でしょう。
その場合は、できるだけ感染を広げないための配慮が必要です。
代表的な方法としては、手洗いうがいの徹底
飛沫感染を防ぐためのマスク着用などがあげられます。

アデノウィルスの予防
アデノウィルスに季節性はなく、一年中いつでも感染する可能性はあります。では、どのように予防すればいいのでしょうか?
アデノウィルスを皮膚や飛沫が飛んだ机などの環境表面から除去することは難しいので
ウィルスとの接触は避けられません。
そのため、一番の予防は手洗いうがいの徹底です。
石鹸でしっかりと手を洗い、その後アルコールで消毒することが大切になります。
ただし、エタノールはあまり効果がないので注意が必要です。
患者と接触するときは、手袋とマスク、メガネを着用して
できるだけウィルスとの接触を避けることも効果的です。
特に赤ん坊のおむつを替えるときは、必ず手袋をするようにしましょう。
また、感染者が顔を拭いたタオルなどにはウィルスが付着している可能性が高いため
他の洗濯物とは分けて洗うのが賢明です。
その際は塩素系の消毒剤を用いると効果的です。
他にも、家族の中に感染者がいる場合は風呂に入る順番を一番最後にさせ
残り湯は捨てて浴槽をよく洗うなどの配慮も、感染を広げないためには効果的です。
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