ロタウイルス予防接種の費用と副作用
寒くなると乳幼児に多く見られるウイルス性の胃腸炎
「ロタウイルス」ですが
残念ながら現代の医学ではロタウイルスに効果のある薬は存在しません。
そのため脱水症状を防ぐための水分補給や
体力を消耗させないようにするための治療が中心になってきます。
だからこそ感染しないように予防することがとても大切なのです。
ここでは特にロタウィルス予防接種について
費用や副作用、ワクチン接種は必要か?
など気になる点を見ていきます。
ロタウイルスを予防するには
ロタウイルスは人の手から手を介して感染して行きます。例えばロタウイルスに感染した人の手が触れたタオルやドアノブ
つり革などにロタウイルスがついてしまい、それらを触った人の手によって
口の中から体内へ入り込んでしまうというわけです。
ロタウイルスは非常に強いウイルスで
人間の体外でも数週間から数ヶ月生き延びる事が出来るそうです。
だからロタウイルスを予防するには日頃から手洗いを徹底する
という事が非常に大事になってくるわけですが
どんなに衛生環境を整えたとしてもウイルスは目に見えるものではありません。
だから完全に防ぐ事は難しいでしょう。
感染力も強いため保育園などで誰か一人かかってしまったら
あっという間に流行してしまうでしょう。
だからこそワクチンによる予防が重要になってくるのです。
ロタウイルスワクチン接種の概要 費用について
日本ではロタウイルスのワクチンは現在GSK社製のロタリックスとMSD社製のロタテックの2種類があります。
ロタリックス、ロタテック共に生ワクチンで経口接種
(口から飲んで接種)になります。
いずれも生後6週間から接種出来ますが
ロタリックスの場合4週間隔で2回
ロタテックの場合4週間隔で3回接種しなければなりません。
接種終了時期がロタリックスで生後24週
ロタテックで生後32週といずれも接種できる期間が短いので
初回の接種を生後104日(生後14週6日)までに受けるのが
望ましいとされています。
気になる費用ですが、病院によって異なります。
平均してロタリックスで15000円×2回=30000
ロタテックで10000円×3回=30000円くらいかかるようです。
またロタウイルスワクチンは生ワクチンなので
これを接種するとその後4週間、他のワクチンが接種出来なくなります。
この時期は他にも接種しなければならないワクチンがたくさんあるので
具体的な接種スケジュールは
係つけのお医者さんとよく相談してから決めるようにしてください。

ロタウイルス予防接種の副作用について
大事なお子さんに接種するとなると気になる所はやはり副作用です。国内臨床試験の結果、接種後30日間に報告された主な副作用は
ぐずり(7.3%)、下痢(3.5%)、咳、鼻みず(3.3%)で
その他発熱、食欲不振、嘔吐などが見られたものの
特に重篤化するものはありませんでした。
ただワクチン由来のウイルスが
便中に接種後平均10日間くらいに渡り認められています。
このウイルスによって胃腸炎を引き起こす可能性は極めて低いとされていますが
オムツを交換した後はよく手洗いするようにしてください。

ロタウイルスの予防接種は必要か?
日本ではインフルエンザのようにロタウイルスのワクチンはまだ広く知られていないかもしれません。
でもワクチンを接種する事によってロタウイルスによる感染を防いだり
重症になるのを約90%防ぐことが出来ます。
WHO(世界保健機関)では2009年6月に
ロタウイルスワクチンを、子供の最重要ワクチンのひとつに位置づけましたが
日本では任意接種なのといずれも高額なのでなかなか普及しないのが現状です。
日本国内でロタウイルスにより死亡する例は毎年2名から18名が報告されています。
ワクチンの効果は少なくとも3年間は持続
することが海外の臨床試験で確認されています。
大事なお子さんの命を守るためにも
ぜひかかりつけのお医者さんとよく相談して
予防接種のスケジュールを立てるようにしてください。
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