ロタウイルスの原因、症状、消毒と洗濯時の注意点
寒くなると風邪とともに増えてくるのがウィルス性の胃腸炎です。
胃腸炎にはウィルス性のものと細菌性のものがありますが
冬場に流行するもののほとんどが「お腹の風邪」と呼ばれるウィルス性のものです。
ここでは乳幼児に感染の多い「ロタウィルス」の
原因や症状、予防方法、洗濯時の注意点などについて
お話していきましょう。
ロタウィルスの原因
ロタウィルスは冬から春にかけて流行するウィルスで特に0歳から6歳頃の乳幼児に感染します。
じつに、就学時前の子供の約半数がロタウィルスで小児科を受診するそうです。
大人は子供の頃にある程度の免疫が出来ているので症状が出にくいとされています。

ロタウィルスはロタウィルスに感染した患者さんの便に
数億から数兆個含まれています。
トイレに入った後、十分に手を洗ったつもりでも
爪や皮膚にロタウィルスが残っていることもあります。
感染力の強いウィルスで人の手から手へ
又は人の手からタオルやドアノブ、おもちゃなど
人の手が触れる物を介して体内に入り込み感染してしまうのです。
また消毒が行われないと
体の外でもタオルやドアノブについたまま
数週間から数ヶ月生き延びる事が出来るそうです。
感染した患者さんの唾液や鼻水からも感染することもまれにあります。
口から入ったウィルスは小腸の粘膜で増殖して
水分吸収の障害になり下痢を引き起こすのです。
消毒ですが、アルコール消毒はあまり効きません。
薬局などで売っている「次亜塩素酸ナトリウム」を
200倍に薄めて拭いてください。
家庭用塩素系漂白剤の「ハイター」や「ブリーチ」でも代用できます。
消毒液の作り方
市販の漂白剤(塩素濃度約 5%)上記ハイターなどを使って
トイレの便座やドアノブ、手すり、床等を拭く場合
500mlのペットボトル1本の水に 2ml
ペットボトルのキャップ(1杯が約5ml)半杯
そのほかの用途の詳細

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ロタウィルスの症状
ロタウィルスに感染すると1日から3日間の潜伏期間(ウィルスが体内に入ってから発病するまでの期間)を経て症状が現れます。
主な症状としては37℃から39℃にかけての発熱や腹痛
水のような下痢や嘔吐がみられます。
咳や鼻水が出る事もあります。
また便の色は白から黄色をしていることから
「米のとぎ汁」に例えられる場合もあります。
罹患期間は3日から7日ほどとされ、その間発熱や下痢が続くため
脱水症状を起こしたり全身の倦怠感が強く出る場合もあります。
ひどい場合は病院で点滴が必要になるほどの症状を引き起こしてしまいます。
また合併症としてけいれん、肝機能異常、脳症、心筋症などを併発する場合があり
時として死に至る事もある恐い病気です。
意識の低下やけいれんなどが見られたらすぐに病院へ向かいましょう。
ロタウィルスの予防について
ロタウィルスの感染は手を介して体内に入り込む事がほとんどなのでよく手を洗う事を習慣づける事が大切です。
せっけんで30秒以上もみ洗いしてください。

また一度使ったタオルを何度も使い回しするのはお勧めできません。
タオルを介して感染する事もあるからです。
できれば1度使ったら捨てられるペーパータオルがお勧めです。
もし、家族がロタウィルスにかかってしまった場合
タオルは必ず別々にしましょう。
また嘔吐物や下痢便にはウィルスがたくさん存在していますので
嘔吐物や下痢便を片付ける際には
手袋やマスクを着用して飛沫がかからないように防備しましょう。
処理後は必ず手洗いうがいをするようにしてください。
洗濯の方法ですが
患者さんが使ったタオルやシーツは別々に洗濯しましょう。
洗濯の際には次亜塩素酸ナトリウム
(家庭用の塩素系漂白剤)を使用するとウィルスが死滅します。
色付きのものだと色落ちするので
白いタオルやシーツを使用するといいかもしれないですね。
また症状が消えても2、3日は周囲の人達が感染する可能性があります。
下痢症状が発生してから10日間は
便中にロタウィルスが検出されることがありますので
その間の入浴は家族の中で一番最後に入るようにしてください。
また治った後の免疫はまだ無完全なので再びかかることもあります。
でも、2度目にかかる場合軽くすむことがほとんどです。
だからと言って油断せずに
日頃から手洗いうがいを徹底するように心がけてください。
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