エボラ出血熱の症状や原因など知っておくべきQ&A
連日のニュースで、エボラ出血熱が話題になっています。
エボラ出血熱は感染してからの死亡率の高さや
死亡までの日数が短い事
また、炸裂した時の悲惨さが類を見ない病気として恐れられています。
エボラ熱出血熱の症状や治療法は?原因と予防は?
日本での感染の状況など、エボラ出血熱の
知っておくべき基本的な知識についてみていきましょう。
エボラ出血熱とは?
エボラ出血熱はエボラウイルスによる急性熱性疾患のことでウイルス性出血熱の一疾患です。
このエボラ出血熱が必ずしも出血症状を伴うわけではないので
エボラウイルス病と呼ばれることも多いです。
エボラ出血熱の重要な特徴は
血液や体液との接触によりヒトからヒトへ感染が拡大し
多数の死者を出す流行を起こすことです。
2014年現在、西アフリカ諸国で起こっている流行は
2014年3月にギニアでの集団発生から始まり
住民の国境を越える移動により隣国のリベリア、シエラレオネへと
流行地が拡大しています。
過去に何度かあったエボラ出血熱の流行より患者の発生が持続しており
過去最大の流行と言われています。
50-80%という死亡率を持つ種類も存在し、人類が発見したウイルスの内で
最も危険なウイルスの1つと数えられています。
なお、「エボラ」の名は、発病者が出た地域に流れるエボラ川から命名されました。
「エボラウイルス」をアニメーション解説した動画です。
エボラ出血熱の症状は?
エボラウイルスに感染すると、2~21日の潜伏期の後突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状が現れます。
次いで、嘔吐、下痢、胸部痛、出血等の症状が現れます。
現在、エボラ出血熱に対するワクチンや特異的な治療法は確立されていませんので
患者の症状に応じた治療(対症療法)を行うことになります。
「エボラ出血熱」をアニメーション解説した動画です。
エボラ出血熱の炸裂とは
エボラ出血熱の初期症状としては見られる発熱、悪寒、食欲不振、頭痛、筋肉痛などはインフルエンザの症状と似ています。
ですが、エボラ出血熱は発症後4~7日経過すると
嘔吐や血便を伴う下痢が始まることに特徴があります。
その後さらに病状が進んだ場合は、約70%の患者に
吐血、歯肉、鼻腔、皮膚、消化管からの出血などの出血傾向や
かゆみを伴わない斑や発疹が出現します。
その状態で、出血によるショック状態や強い中毒症状などにより
患者の約半数が死亡します。
そして、エボラ出血熱の末期症状としては
意識混濁、外出血、内出血などがあげられます。
中でも、患者の全身の開口部から
おびただしい量の血液と溶解した組織が噴出する
「炸裂」や「放血」といった現象は
エボラ出血熱に特異な症状として広く知られています。
「エボラ出血熱の治療施設」をアニメーション解説した動画です。
エボラ出血熱の治療法はありますか?
患者が炸裂が起こる時期を持ちこたえることができれば3週間程度の期間をかけて、エボラ出血熱の病状は回復に向かっていきます。
つまり、現在ではエボラ出血熱の治療法が確立されていないので
患者が回復するかどうかには、患者自身の免疫力や健康状態
感染する際に接触した患者のウイルス数などが関係しています。
ですが、ただ回復を待っていては死者が増えるだけですので
主にインフルエンザウイルス用に開発された薬が投与され
解熱や症状緩和の様子が見られています。
そういったなかで、有望な治療薬として最も注目を集めているのは
米マップ・バイオファーマシューティカルが開発している「Zマップ」と
富士フイルムのグループ会社・富山化学工業が開発した「アビガン錠」です。
特に、アビガン錠では治癒の例も報告されています。
もちろん、投与が始まったばかりで、充分数の供給も確立されておらず
副作用については未知ではありますが、今後の経過に期待されます。

エボラ出血熱の日本での感染状況はどうですか?
アフリカの発生国(ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア、コンゴ民主共和国)への渡航者や帰国者に対する注意喚起を行っています。
現在、発症した症例は報告されてはいませんが、万一
発生国からの帰国者でエボラウイルスへの感染が疑われる方がいた場合は
感染症指定医療機関に搬送するなどの対策を取れるよう体制が整備されています。
エボラ出血熱の原因は何ですか?
2005年12月1日付の英科学誌「ネイチャー」に報告された論文によるとオオコウモリ科のウマヅラコウモリ、フランケオナシケンショウコウモリ
コクビワフルーツコウモリ等が、エボラウイルスの自然宿主とされ
現地の食用コウモリからの感染が示されています。
また、アフリカでサルを食べる習慣からも広まったのではと
研究が進められています。
感染に関しては、血液や体液を直接触らなくても
マラリア原虫を媒介するハマダラカによって広まっているのではという
学説も浮上しています。
エボラ出血熱の予防はどうすればよいですか?
傷口や粘膜にウイルスが入り込まないよう注意する必要があります。咳やくしゃみはエボラ出血熱の症状にあまりないので
それらによる感染率は低いと言われています。
しかし別の要因によって咳やくしゃみが起これば感染する可能性もあります。
そのため、人ごみをできるだけ避け、他人との直接的接触
1メートル以内への接近、屋内での長時間接触も控えることが望ましいです。
石鹸やアルコール分を60%以上含むハンドジェルでの手指の除菌
眼鏡やマスク、手袋なども予防に有効ですが
あくまでもウイルスの付着している表面には触らないことが重要です。
現在、日本では感染者は報告されていませんが
いつ世界的にアウトブレイクするのか分かりません。
普段から、消毒やマスクなどを常備しておくことも助けになるでしょう。