7割の確率!?で起こる「首都直下型地震」のメカニズム
東日本大震災からもうすぐ3年が経とうとしていますが
まだ完全に復興したとは言えません。
北から南まで、日本では多数の地震が起こっています。
これは地球の表面を構成する「プレート」が
日本にはたくさんあるからなのです。
現在、地震の中でも特に問題になっているのが
東京周辺に起こる可能性が高い「首都直下型地震」です。
ここでは、地震の発生メカニズムやプレートの特徴などをお伝えし
首都直下型地震の被害想定などについてもご紹介していきます。
地震大国である日本は4つのプレート上にある
私たちが生活している地面が揺れ生命や建築物などに多大な被害をもたらす「地震」。
地球の表面は「プレート」と呼ばれる
厚さ数10kmの岩盤で覆われています。
プレートはひと続きになっているのではなく
10数枚が集まって地球を包んでいる状態です。
そして、それぞれが違う方向に年間数cm単位で移動しています。
そのため、プレート同士の間に圧縮したり
引っ張りあったりする力が働きます。
このプレートの運動が生み出す巨大な力が
地震を引き起こすのです。
日本は4つのプレートの上にあるため
世界有数の「地震大国」となっているのです。
日本国内のプレートは以下のような名前で知られています。

■・北米プレート アイスランド西部、グリーンランド、北アメリカ大陸および 東シベリアから東日本にかけて広がるプレートです。 「北アメリカプレート」とも呼びます。 ■・ユーラシアプレート 東シベリア、インド亜大陸、アラビア半島の3地域を除く ユーラシア大陸全体に広がるプレートで 地球の中では3番目の広さを持っています。 ■・フィリピン海プレート 太平洋の北西部を占める フィリピン海周辺に広がるプレートです。 伊豆諸島や小笠原諸島などが含まれています。 ■・太平洋プレート 太平洋に広がるプレートで、ハワイ諸島などが含まれています。 |
これら4つのプレートの移動が引き金となり
日本各地で地震が起こっています。
また、海洋底からなるプレートを「海洋プレート」
大陸からなるものを「大陸プレート」と呼びます。
日本では太平洋プレートとフィリピン海プレートが海洋プレート
北米プレートとユーラシアプレートが大陸プレートにあたります。
地震には大きく分けて2つのタイプが存在
さて、地震はプレートの運動によって起こると先ほどお伝えしました。
地震には発生メカニズムによって
大きく「海溝型(海洋型)」と「直下型(内陸型)」の2つに分類されます。
それぞれの特徴について
順にご説明していきたいと思います。
・海溝型(海洋型)地震 プレートの境界部で発生する地震。 大陸のプレートの先端が 下に潜り込もうとする海洋プレートにひきずり込まれ やがてその歪みに限界が来て 元に戻ろうと跳ね上がる際に発生します。 この種の地震は地球の活動によってプレートが動く限り 一定のサイクルで発生することとなります。 身近な例では1923年に起きた関東大震災や 現在心配されている東海地震・東南海地震が該当します。 ・直下型(内陸型)地震 日本列島付近では大陸プレートと海洋プレートがぶつかり合うため 大陸プレートの内部にも大きな力がかかることとなります。 大陸プレート内部の岩石が 破壊されることによって地震が発生します。 直下型地震は、プレート内に蓄積された歪み(=活断層)が ずれることによって発生します。 この活断層は日本各地に存在しています。 身近な例では、1995年の兵庫県南部地震 2004年の新潟県中越地震が該当します。 |
「火山性地震」というものもあります。
大きな被害の恐れがある、首都直下型地震とは?
最近では東京周辺で起こる可能性があるとされている「首都直下地震」に関するニュースをよく目にするようになりました。
2013年12月に発表された新しい被害想定では
「今後30年以内に70%の確立で直下型地震が起こる」とされました。
その被害は次のように試算され
多くの被害を出した東日本大震災を上回る予想となっています。
・全壊家屋:17万5000棟 ・焼失家屋:41万2000棟 ・死者:2万3000人 ・経済被害:95兆円 |
東京が大きな被害を受けた場合
日本全体の機能がストップしてしまう恐れがあります。
そのため、関西経済連合会などは首都直下地震に備えて
政治や行政、経済機能の首都圏一極集中を是正するべきだ
との政策提言を発表しました。
地球が活動している限り、必ずどこかで地震は起こります。
地震が起きたときに被害を少なくするためにも
政府や民間、個人などが、意識を高くして
地震対策に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。